変更登記を司法書士に頼むと、会社は何をする?チャートで分かる、押印と印鑑証明書の段取り
何を用意して、こちらは何をすればよいのでしょうか
役員変更の登記をお願いしようと思っています。ただ、こちらで何を用意すればよいのかが分かりません。登記簿や定款はうちで取るのでしょうか。会社に来ていただくことになりますか。社長は日中ほとんど外に出ていて、何度も時間を取るのが難しいもので、先に段取りを知っておきたいのです。
商号と本店を知らせて、あとは押印と書類集めです
ご連絡の時点で要るのは、登記簿のとおりの商号と本店の所在地だけです。会社の登記事項証明書は手数料を納めれば誰でも請求できるので(商業登記法10条1項)、司法書士が取ります。いまの役員と、いつ就任したかが載っています。任期の年数は登記される事項ではないので、そこは定款と過去の議事録で確かめます。
そのあと、議事録や委任状はこちらで作成してお送りします。会社でしていただくのは、届いた書面への押印です。紙でお預かりする委任状には、登記所に届け出てある会社の実印を押します(商業登記規則35条の2第2項)。個人が実印を押す書面が出る登記なら、その方の印鑑証明書も要ります。役員が新しく就く登記では、住民票などの本人確認書類になることもあります。
社長にお時間をいただくのは、その押印です。申請はオンラインで出すので、法務局の窓口の時間に合わせて日を空けていただくこともありません。
登記簿も定款も、そろえてからでなくて構いません
役員変更の登記には、変更があった日の翌日から数えて2週間という期限があります。書類がそろうのを待っていると過ぎてしまうので、先にご連絡をいただければ、こちらで登記簿を取りながらお待ちできます。
- 登記事項証明書は、司法書士が取ります会社の登記簿は誰でも請求できます。商号と本店さえ分かれば取れるので、こちらで取ります。オンラインで請求するので、法務局へも行きません。
- 定款は、探しながらで構いません(出す登記もあります)任期や代表取締役の決め方を確かめるために見ます。取締役の互選で代表取締役を選び直す登記では、定款そのものも法務局に出すことになります。設立のときのものが公証役場に残っていることもありますし、登記簿と過去の議事録からたどれることも多いです(事業目的を追加する)。
- 株主のことは、分かる範囲で結構です株主総会で決める登記では、誰が何株持っているかを書いた株主リストを添えます。証明するのは会社の代表者なので、名簿が無いときは、ご記憶の出資の割合をうかがって一緒に形にします(株主リスト)。
何が起きたのか、それがいつごろだったのかも、あわせてお知らせください。日付が分かると、2週間の期限に対してどれだけ余裕があるかが見えます。はっきりしなければ「去年の春ごろ」で構いません。議事録が残っていれば、そこから確かめます。
司法書士がすることと、会社ですること

会社でしていただく作業は、押印と、要るときに印鑑証明書や住民票を取ることです。紙でお預かりする委任状に押すのは、登記所に届け出てある会社の実印と決まっています(商業登記規則35条の2第2項)。社判や角印ではありません。なお、印鑑を登記所に出しておくこと自体は、令和3年から任意になりました。出していない会社が紙の委任状で出すときは、印鑑届書と代表者の個人の印鑑証明書を一緒に添えることになります。
ほかの書面に誰が何を押すかは、登記の中身と、会社の形と、その方の役職で変わります。取締役会のある会社かどうかで変わるものもあれば、前の代表取締役が届出印を押せるかどうかで変わるものもあります。登記簿と定款を見ないと決まらないので、こちらで判断して、要るものをお伝えします。印鑑を出してある会社で社長が交代するときは、会社の実印も届け出直しになります。前の社長の資格と氏名でした届出が、代表取締役でなくなると効力を失うためです。丸印そのものは作り直さず、新しい社長の名前で出し直します(代表取締役が交代する)。
| 司法書士がすること | 会社ですること | |
|---|---|---|
| 登記簿を見る | 取り寄せて、役員と就任の時期を確かめます | ありません |
| 何の登記が要るか | 定款と照らして判断します | ありません |
| 書面を作る | 議事録・就任承諾書・委任状などを作成します | ありません |
| 押印 | 押す場所に印をつけて郵送します | 届いた書面に押して、返送します |
| 個人の書類 | 要るかどうか、誰の分かを判断してお伝えします | 要ると申し上げた方の印鑑証明書か住民票を取ります |
| 申請 | オンラインで出します | ありません |
| 登記が終わったら | 登記事項証明書をそろえ、出す先がある登記なら一覧をお渡しします | 商号・本店・代表者が変わったとき、許認可があるときは届け出ます |
紙の委任状に押す印鑑だけは、決まっています
紙の委任状 登記所に届け出た会社の実印
※ 社判・角印ではありません
※ 代表者ご本人の個人の実印でもありません
誰が何を押すか、どなたの印鑑証明書が要るかは、手続きごとに条件が細かく分かれます。ここでは軸だけお伝えして、中身はそれぞれの記事に書いてあります。
- 代表取締役の住所が変わった引っ越したのか、引っ越していないのに住所の書き方が変わったのかで、することが変わります。後者なら申請そのものが要らないこともあります(代表取締役が引っ越した)。
- 役員を選び直す・新しく役員になる方がいる重任か新任か、取締役会のある会社かどうか、前の代表取締役が届出印を押せるかで、誰の印鑑証明書が要るかが変わります(役員変更の必要書類)。
- 社長が交代する・取締役が辞任する社長が交代する会社では、会社の実印の届け出直しが一緒になります(代表取締役が交代する)。取締役の辞任は、辞任届に押す印鑑がその方の立場で変わります(取締役が辞任する)。
商号・本店・代表者が変わる登記では、登記が終わったあとに届出が続きます。税務署と、本店のある都道府県・市区町村、年金事務所、それに取引のある銀行です。同じ役員を選び直しただけなら、ここは要りません。ただし許認可を受けている会社は別で、役員が替わっただけでも届出の期限があります。期限は業種ごとに違うので、許可の種類をお知らせください。出す先がある登記では、登記事項証明書と一緒に一覧をお渡しします(社名を変えるときの届出先)。
押印の前に、うかがいたいこと
押印までの段取りを組むのに、この3つが分かると早いです。
- 会社の実印が、いまどなたの手元にあるか金庫にしまってある会社がほとんどですが、前の社長が持ったままで連絡がつかない、というご相談もあります。見当たらなければ、そのままお知らせください。新しい印鑑を届け出るところから始めます。
- 書面をお送りする宛先と、受け取れる方押していただく書面を郵送します。会社宛てで構いませんし、社長のご自宅のほうが早ければそちらへ送ります。社長が出張がちなら、戻られる日も教えてください。
- 日中に連絡の取れる電話番号押印をお願いするときや、急ぎで確かめたいことがあるときに使います。携帯電話で構いません。
司法書士から、ひとこと
何から話せばよいか分からない、とよく言われます。商号と本店さえ分かれば登記簿はこちらで取りますし、議事録も同意書も作成します。何も分からないままご連絡いただいて構いません。
書面のやりとりは郵送とメールで済むので、会社にうかがわずに終わることがほとんどです。お会いしてご説明したほうがよい場面ではうかがいますが、その場合は交通費と出張費を登記の費用とは別にいただきます。事務所へお越しいただく形でも構いません。
この場面で、当事務所ができること
- 登記事項証明書を取り、定款と照らして、何の登記が要るかを確かめます
- 議事録・同意書・就任承諾書・委任状を作成してお送りします
- 押印いただいた書面で、オンラインで申請します
- 変わったこと・変えたいこと
- 「役員の任期が切れていた」「本店を移す」など、ひとことで構いません。
- その時期
- すでに変わった日、またはこれから変える予定の時期。見込みで構いません。
- 本店のある市区町村
- 管轄の法務局を確認するためです。会社名は最初のご連絡では不要です。
会社の実印が見当たらないときは、印鑑の届出から引き受けます。
この件を相談する受付 10:00〜19:00/見積もりは無料です。会社名・個人名は最初のご連絡では不要です。「ご依頼・費用」で引き受けることを見る依頼するときのことで、よくある質問
会社の実印が見当たりません。どうなりますか?
新しい印鑑を用意して、登記所に届け出れば進められます。届出に使う印鑑届書はこちらで作成します。そこに代表取締役ご本人の実印を押して、作成後3か月以内の個人の印鑑証明書を添えます。登記の申請と一緒に出せるので、そのために別の日を取ることはありません(印鑑届書)。
押すのは、社判や角印ではだめですか?
紙でお預かりする委任状には、登記所に届け出てある印鑑でないと受け付けてもらえません。議事録や辞任届はこの限りではなく、認印で足りることもあります。どれが届出印か分からないときは、印鑑カードで会社の印鑑証明書を取ると、そこに印影が出ています。県内の支局・出張所の窓口でも取れますし、オンラインでも請求できます。
原本は預けるのですか?
押印いただいた議事録や就任承諾書は、原本をお預かりします。郵送で結構です。登記が終わったら、原本還付といって、お返しできるものが多いです。申請はオンラインで出すので、平日17時15分までに送信すればその日の受付になり、紙の書類は、そのあと登記所が決めた期限までに届けます(どこへ出すか)。
自分でやるのと、何が違いますか?
ご自分で出すこともできます。分かれ目は、登記簿と定款を読んで任期を数えられるかどうかです。そこが決まらないと、何の登記をするのかも、誰の印鑑証明書が要るのかも決まりません(自分でできるか)。
