変更登記の実務|役員変更

役員変更登記の必要書類|重任・就任・辞任で変わるもの

役員の任期が切れます。登記には何を用意すればよいですか?

来月の定時株主総会で、役員の任期が切れることに気づきました。取締役3名のうち2名はそのまま続け、1名は入れ替える方向で話しています。登記が要るのは分かっているのですが、何を用意すればよいのか見当がつきません。

基本は、株主総会議事録・株主リスト・就任承諾書の3つです

同じ役員が続ける重任だけなら、株主総会議事録株主リスト就任承諾書が基本です。取締役会のある会社では、代表取締役を選んだ取締役会議事録が加わります。新しい人が入る、辞める人がいるときに、個人の印鑑証明書や辞任届が加わります。

この3つは役所で取る書類ではなく、会社の中でつくる書類です。司法書士が定款と登記簿を見て文案をつくり、押印いただく箇所をご案内します。就任承諾書は、選ばれた方が総会の席で就任を承諾し、そのことが議事録に書かれていれば、別に用意しなくて済みます。

登記は司法書士が申請します。期限は、変更が生じた時から2週間以内です。総会の日が決まったところでお知らせいただければ、総会の日に押印までいただけるよう、書類を先に整えます。

司法書士は、最初に定款と登記簿のこの3点を見ます

要る書類は、取締役会の有無と代表取締役の決め方で変わります。会社の側で見分けていただく必要はありません。定款と登記簿をいただければ、司法書士が次の3点を読み取ります。

  • 取締役会があるか、代表取締役をどう決める会社か取締役会のある会社は、取締役会で代表取締役を選びます。取締役会のない会社は、取締役の全員が会社を代表する、株主総会で選ぶ、取締役の互選で選ぶ、のいずれかで、定款の定めによります。どれにあたるかで、議事録の種類と、誰の印鑑証明書が要るかが変わります。
  • 役員それぞれの任期が、いつ満了するか定款の任期の定めと、登記簿の就任・重任の日付から数えます。取締役と監査役で任期が違う会社もあります。すでに満了していた場合の進め方は、役員の登記を何年も忘れていたにまとめています。
  • 今回の総会で、誰が続け、誰が入り、誰が抜けるかこれは会社でお決めになることなので、うかがいます。決まりきっていなければ、見込みで構いません。

場面ごとに加わる書類と、司法書士がすること

加わる書類司法書士がすること
全員が重任する(取締役会のある会社)株主総会議事録、株主リスト、取締役会議事録、就任承諾書。取締役会議事録に代表取締役が法務局への届出印を押していれば、ほかの役員の印鑑証明書は要りません。議事録2通と株主リストの文案をつくります。就任の承諾は議事録に書き込み、個別の承諾書を省きます。
全員が重任する(取締役会のない会社)株主総会議事録、株主リスト、就任承諾書。代表取締役を取締役の互選で決める定款の会社は、定款と互選を証する書面が加わります。定款から代表取締役の決め方を読み取り、それに合った議事録をつくります。
新しい取締役が入る取締役会のない会社は、新しい取締役が就任承諾書に実印を押し、印鑑証明書を添えます。取締役会のある会社は、運転免許証の写しや住民票記載事項証明書などの本人確認証明書で足ります。その方にお願いする書類を、取締役会の有無に合わせてご案内します。就任承諾書は司法書士がつくります。
代表取締役が新しくなる取締役会のある会社でも、新しい代表取締役は就任承諾書に実印を押し、印鑑証明書を添えます。新しい代表取締役が法務局へ会社の印鑑を届け出る場合は、司法書士が印鑑届書もつくります。役員まわりでお引き受けすることは、役員の変更と任期にまとめています。
辞任する役員がいる辞任届。法務局に印鑑を届け出ている方(代表取締役)が辞任するときは、辞任届に届出印を押すか、実印を押して印鑑証明書を添えます。辞任届の文案をつくります。辞任で役員の人数が定款や法律の定めを下回らないかを確かめ、下回るときは後任の選任と同時に申請する形に組みます。
亡くなった役員がいるご遺族からの死亡届、または法定相続情報一覧図の写し。お手元にある書類で足りるかを確かめます。後任を選ぶ場合は、就任の登記とまとめて1件で申請します。

個人の印鑑証明書が要るのは、取締役会のない会社に新しく入る取締役、新しく就く代表取締役、届出印を押せない辞任者です。重任だけなら要りません。

司法書士に依頼される場合は、このほかに会社から司法書士への委任状をいただきます。監査役のいる会社で、監査の範囲を会計に限る定款の定めがあり、その旨がまだ登記されていないときは、定款などの書面が加わります。これも司法書士が登記簿から気づきます。

最初に、いただきたいもの

分かるものだけで足ります。見当たらないものは、空欄のままで構いません。

  • 定款の写し任期と、代表取締役の決め方を見ます。設立時のものしかなければ、それで構いません。見当たらないときは、その前提で進め方をご提案します。
  • いまの登記簿の内容お手元に登記事項証明書があればその写しを。なければ、会社名と本店の所在地をお知らせいただければ、司法書士が取ります。
  • 総会の予定日と、役員の予定どなたが続け、どなたが入り、どなたが抜けるのか。見込みで構いません。
  • 株主と持株数が分かる資料株主名簿があればその写しを。株主リストをつくるのに使います。

司法書士から、ひとこと

執筆・監修者の小野田敦士

小野田 敦士

  • 司法書士
  • 行政書士
  • 宅地建物取引士

全員がそのまま続けるのか、お一人でも新しく入るのか。そこで、どなたに何をお願いするかが変わります。見込みの段階で教えていただければ、押印の箇所までこちらでご案内します。

この件のご相談

この場面で、当事務所ができること

  • 定款と登記簿から、今回の登記に要る書類を決めます
  • 株主総会議事録・取締役会議事録・就任承諾書・辞任届・株主リストをつくります
  • 押印いただく箇所と、個人でご用意いただく印鑑証明書などをご案内します
  • 総会のあとすぐに申請し、完了後の登記事項証明書までお届けします
変わったこと・変えたいこと
「役員の任期が切れていた」「本店を移す」など、ひとことで構いません。
その時期
すでに変わった日、またはこれから変える予定の時期。見込みで構いません。
本店のある市区町村
管轄の法務局を確認するためです。会社名は最初のご連絡では不要です。

定款と、いまの登記簿の内容が分かるものをお送りください。どなたが続けて、どなたが替わるのかを添えていただければ、必要な書類をこちらで組み立てます。

この件を相談する受付 10:00〜19:00/見積もりは無料です。会社名・個人名は最初のご連絡では不要です。役員変更・任期」で引き受けることを見る

役員変更の書類について、よくある質問

役員が全員そのまま続ける場合でも、登記は必要ですか?

必要です。任期が満了して同じ方が選ばれた場合も、登記簿には重任として日付が記録されます。議事録と株主リストは司法書士がつくります。

就任承諾書は、全員分を別々に用意するのですか?

選ばれた方が総会の席で就任を承諾し、その旨が議事録に書かれていれば、別の承諾書は要りません。ただし、実印の押印と印鑑証明書が要る方については、その議事録に実印を押していただくか、承諾書を別につくります。どちらにするかは司法書士がご案内します。

重任する役員の印鑑証明書は要りますか?

重任だけであれば、原則として個人の印鑑証明書は要りません。代表取締役を選んだ議事録に、法務局へ届け出ている会社の印鑑が押されていることが前提です。

定款が見当たりません。それでも依頼できますか?

ご依頼いただけます。任期や代表取締役の決め方を確かめる必要があるので、設立のときの書類や過去の登記の内容から、司法書士が定款の内容をたどります。

この記事に出てくる言葉

この記事は、一般的な株式会社(非公開会社)を想定した説明です。必要な書類や手続は、定款の定め・機関の構成・株主の状況によって変わります。実際の手続では、担当する司法書士にご確認ください。