会社設立の実務|定款と資本金

宅建業の設立登記の事業目的|書き方がチャートで分かり、事業目的ビルダーで案が作れる

定款の目的には、何をどこまで書けばよいのでしょうか

宅建に合格して、不動産の会社をつくります。定款の目的に何を書けばよいか分かりません。ネットで見た会社の定款は目的が10行以上あって、自分の会社に何を入れればいいのか見当がつきません。「宅地建物取引業」と1行書けば足りますか。将来やるかもしれないリフォームや民泊も、いまのうちに入れておくものでしょうか。

免許の申請で見られる目的欄は、宅建業と分かる言い方があれば足ります。いちばん短いのは「宅地建物取引業」です

免許の申請では、登記簿の目的欄に宅建業に関する旨の記載が要ります。「宅地建物取引業」でも、「不動産の売買・仲介」のように取引の中身が分かる言い方でも構いません(埼玉県)。ほかの事業は1号ずつ書き、最後に「前各号に附帯する一切の事業」を付けるのが普通です。将来やるかもしれない事業は、入れておいても、始めるときに株主総会の特別決議で足してもよく、足すときは目的変更の登記と登録免許税3万円がかかります。

事業目的を登記所と公証人が見るのは、適法か、利益を得る事業か、意味が明確か、の3つです。どれだけ具体的かは、平成18年に会社法が施行されてから審査されません。それでも具体的に書くのは、免許の申請で目的欄を見られ、銀行や取引先にも何の会社かをここで見られるからです。商号・本店など、目的のほかに決めることは不動産会社をつくって開業するまでに、資本金の額は宅建業の設立登記、資本金はいくらにする?に書いてあります。

目的を決めるときに見るのは、この3つです

  • している事業、これからする事業「中古住宅の仲介」「自分で買った物件を貸す」のように、普段の言い方で書き出します。登記の言い回しに直すのは司法書士がします。
  • 免許や許可が要る事業は、窓口が求める言い方で書く宅建業なら「宅地建物取引業」です。自社の物件を貸す・管理するだけなら宅建業ではないので、免許は要りません。建設業の許可や古物商の許可でも、申請のときに目的欄を見られます。
  • 将来やるかもしれない事業を、いま入れるか10行あっても、登記所で断られることはありません。何の会社かは、銀行や取引先も目的欄で見ます。いま入れるか、あとで足すかは、ご自身の判断です。

免許や許可が要る事業は窓口の言い方で、ほかは実例の言い回しで書きます

会社の事業目的を決める流れ図。したい事業に免許や許可が要るなら、窓口が求める言い方で1号にする。要らないなら、実例にある言い回しで1号にする。辞書に無い新しいことばは、法律の名前や一般の言い方に置き換える。最後に附帯条項を付けて定款第2条にする
図は、宅建業の会社の例です。
定款の目的の書き方(例)免許・許可・届出
中古住宅や土地の仲介・売買をする宅地建物取引業宅建業の免許が要ります
仲介も、自社の物件の売買も、賃貸もする不動産の売買、賃貸、管理及びその仲介仲介と売買の部分に、宅建業の免許が要ります
自分で買った物件を貸す・管理する不動産の賃貸及び管理宅建業ではないので、免許は要りません
リフォームをする建物のリフォーム工事の施工及び請負軽微な工事なら建設業の許可は要りません。それより大きい工事は許可が要ります
民泊をする住宅宿泊事業法に基づく住宅宿泊事業住宅宿泊事業の届出が要ります
事業が1つだけなら、最後は「前号に附帯する一切の事業」です。登記簿にも、この号の並びのまま載ります。

ことばは、意味が一つに取れるものにします。目安は、辞書に載っているかどうかです。「LAN工事」「OA機器」のように広く知られている略語は使えます。「民泊」のような新しい呼び名は、そのままでは意味が明確と見てもらえないことがあるので、法律の名前や実例にある言い方に置き換えます。民泊なら「住宅宿泊事業法に基づく住宅宿泊事業」です。

頼むときに、教えていただきたいこと

  • している事業、これからする事業普段の言い方のままで構いません。
  • 取る予定の免許や許可宅建業の免許のほかに、建設業の許可や民泊の届出などがあれば教えてください。
  • 将来やるかもしれない事業あれば、それも教えてください。

司法書士から、ひとこと

執筆・監修者の小野田敦士

小野田 敦士

  • 司法書士
  • 行政書士
  • 宅地建物取引士

宅建業の会社なら、目的に「宅地建物取引業」があれば免許の申請で目的欄は足ります。ほかの事業は、決まっていなくても教えてください。

免許そのものの要件は、別のサイト(当事務所の不動産の開業のサイト)に書いてあります。あとから事業を足すときの登記は、事業目的を追加するを見てください。

この件のご相談

この場面で、当事務所ができること

  • したい事業を、登記所と免許の窓口で使える文にします
  • 定款の目的の条文を作成し、設立登記まで引き受けます
  • あとから事業を足すときは、株主総会の書類と目的変更の登記を引き受けます
変わったこと・変えたいこと
「役員の任期が切れていた」「本店を移す」など、ひとことで構いません。
その時期
すでに変わった日、またはこれから変える予定の時期。見込みで構いません。
本店のある市区町村
管轄の法務局を確認するためです。会社名は最初のご連絡では不要です。

したい事業が固まっていなくても、目的の相談は受けます。

この件を相談する受付 10:00〜19:00/見積もりは無料です。会社名・個人名は最初のご連絡では不要です。「定款・事業目的・資本金」で引き受けることを見る

事業目的で、よくある質問

「不動産業」とだけ書いても、宅建業の免許は取れますか?

埼玉県の手引きでは、「不動産の売買・仲介」のように宅建業が含まれる表現なら構わないとされています。「不動産業」で足りるかは手引きに書かれていないので、「宅地建物取引業」と書くのをおすすめします。

定款の目的と、登記簿の目的は同じ文にしますか?

同じにします。登記の申請では定款の目的をそのまま書き、1字でも違うと補正になります。

目的に無い事業を始めてしまいました。

そのときの手続きは、事業目的を追加するに書いてあります。

この記事に出てくる言葉

    この記事は、一般的な株式会社(非公開会社)を想定した説明です。必要な書類や手続は、定款の定め・機関の構成・株主の状況によって変わります。実際の手続では、担当する司法書士にご確認ください。